生命保険、皆さんはどれくらいかけていますか?
私はこの本を読む前から収入保障・死亡保障・医療保障はすべてかけて捨てで入っています。この本は2006年に書かれたものですが、保険の概念は変わってないのではないかと思います。
この内容が正しいかどうかはわかりませんが、保険というのも10年後には営業がいらない世界になっているかもしれません。
日本人はとくに保障、保険が好きですよね、ただ日本で生活している限り、日本人でいる限り、公的な保険が身を守ってくれているのは確かです。年金は減っていき、老後に2000万円必要というニュースもでていますが、それも何十年もあとのこと。ここ20年で年収300万円のかたの年金は36万円減っているようです。
保険営業マンの方を悪く言う必要はありません。しかし、どの営業でも悪い人はいるものです。
本当にお客さんのために思っているならば、必ず、その人にあった商品、サービスというものがあります。お金は大事、ただそれ以上に人は大事です。お金に価値がなくなったとき、残るものはなんでしょうか?
私は「人とのつながり」だと思っています。
お金がなくても心底付き合えるような人間になりたいですね。
この本を読んでからは、私も保険に対する考えが随分かわりました。
大雑把にまとめたものなので、読みづらいですがぜひ参考にしてください。
■生命保険のカラクリ
生命保険の世帯加入率は平成30年で88.7%
生命保険量の総額と、死亡保障の保証額が大きい。
日本人の生命保険好きはここ30年のこと。生命保険収入の八割は貯蓄型である。
アメリカ=年金商品50%、死亡保障含む生命保険30%、医療20%
気がつけば、外資系保険の収入が3割になっている
1980年代からの保険の変化
死亡保障から医療保険、生存保障(年金)に変化。
2005年明治安田生命で、死亡保障金の不払い発覚。
二週間の業務停止命令→金融庁は、自社不払い調査を支持
あがった報告は一社あたり数十件
真剣に取り組んでないことから、再調査を要求
生保営業の離職率50%
−保障と貯蓄
保障は、期間限定で加入するほうが得策。子供が独立するまで、老後のお金が貯まるまでなど、必要な時期に必要な範囲に限定する。
貯蓄は、保険商品でなくても自分でできる。必要なときに必要な分だけ引き落としが可能。ただ、日本人は貯蓄はできないが、保険料を支払うことは守る。そういう意味では、保障と貯蓄の両方を兼ね備える商品があるのもうなずける。
貯蓄保険の途中解約ペナルティは気をつけたほうが良い。
−掛け捨ては損ではない
掛け捨ては、「捨てる」という言葉があるため、マイナスなイメージを持ちやすい。
保険の本質は、少数でお金を出し合い、誰かが困ったときに充てがうものとなっている。したがって、自分が払った掛け捨て費用は、誰かのために使われているのだ。
外資系保険のテスト
二通りの保険を消費者テストで見せた。たとえば、保険料を一〇万円払って保障のみを確保する保険と、保険料を二〇万円支払って、無事に満期を迎えたら一〇万円が払い戻される保険をイメージすればいい。
支出はどちらも損得ない。
結果、9割は後者を選んだ。
生命保険の分野では、この人が感じるボーナス感覚が人気の高さといえる。
−何に備えるかで分けると4つしかない
働けない収入リスク
思わぬ出費による医療費、損害賠償のリスク
長生きリスク
住宅、車などの資産保有リスク
保険商品は大きくわけて3つ
①残された家族のための死亡保障、遺族保障、所得保障
②病気、怪我の医療保障
③将来に備える貯蓄、年金保障
学資保険は、18歳まで積み立てる。満期を迎えたら支払われる。
貯蓄は機能と、それを運用した少額で掛け捨ての死亡保障がついている。親が亡くなると、満期までの契約保険料の支払方法が失くなる。
−生命保険会社の保険料の決め方3つ
⓵死亡や入院の発生確率と保障の範囲
⓶預かった保険料の運用利回り
⓷保険会社の経費や利益に充てられる手数料
⓵→「七大疾病は安心の120日保障」と入院限度日数を2倍にしている商品があるが、入院日数を伸ばしている分、保険料を多く払うことになる。しかし、七大疾病だからといって、平均入院日数がそんなに伸びることはなく、顧客の琴線にふれるキャッチコピーをうまく利用している。
保険料は保障範囲を広げれば高く、狭めれば安い。
あくまでも「保険」だということを忘れてはならない。
⓶運用利回りについて
高齢になっての負担を減らすために、若いうちに平均よりも多くもらっている。そのお金を運用して増やして、後年の保険料に一部を充当する。
⓷手数料について
手数料は、保険会社が保険制度を運用するための必要経費である。
保険販売、契約審査、毎月保険料の徴収、なにかあったときの支払などの経費。
途中で辞めたら損とは限らない
生命保険会社は、保険商品が制約になると、営業職員や代理店に対しての一括で成約手数料をはらっていた。なので、最初にコストがかかり5年、10年と回収するシステムであることから、早期解約には、ペナルティを顧客に課している。
ただ、この回収コストも10年すれば消滅するので、解約したから損ということはない。アメリカでは、民間保険しかないこたから高額であり、低所得者で医療保険に加入していないもなは四千万人といる。
−保険会社をゼロからつくったら?
保険商品とは、姿、形は存在しない。あるのは、何か起きたときに支払いをするだけだ。
その時の契約内容、すなわち約款が商品となる。
保険原価は、保険事故がおきたときのためにお金を集めて置かなければならない。これが原価
そのためには、保険数理という専門的な計算が必要。
生命保険契約の査定のポイント
体格、病気、職業に対するリスク
あとは、ほけんきを不法に取得しないかどうかのモラルリスク。
保険会社が保険料を算出する際に各社が共通して死亡率を表にまとめたものが、標準生命表である。
−保険金未払いだったもの
①3大疾病45%
②高度障害保険金22%
③通院+入院給付金17%
①手術給付金
②入院給付金
特約も忘れられがちである。どうしても入りたいたいなら、特約の存在を忘れないくらい大切なものにするべきである。
−契約者が払い込んだ保険料の使いみち
2006年時点で、28兆円を払い込んでいる。
そのうち、9兆円が保険金に充てられる=責任準備金
生命保険の資産 188兆円
このほとんどが、将来、契約者に返金するもの。
この資産は公債、社債、株式、有価証券、企業への貸付け、不動産などの投資に運用される。
この資産運用から得られた利益は5兆円。
このうち一部が契約者に配当されるが、基本的にはまた会社に蓄積され、また投資される。
お金の動きを簡単にまとめると、契約者は二八兆円の保険料を会社に支払い、一九兆円の払い戻しを受ける。六兆円が保険会社の経費として使われ、差分の三兆円が保険会社の自己資本の純増となっている。
−生保はリスクをとりすぎか
金融機関としての生命保険会社は、資金量において民間企業において、銀行に継ぐ第2位となる。
7割が個人保険の責任準備金
2008年大和生命が破綻。生命保険会社の破綻はじつに7年ぶり。→高リスク投資をしすぎたとみる
株式、外国為替、不動産など
−生命保険会社の収益はどのようにあげているのか?
保険料を決める3つの要因
①死亡の発生率
②運用利回り
③手数料
①では、実際の支払いよりも払い込みのほうが多ければ、差分の利益が出る。
これを死差益、危険差益という。
②では、保険料を運用してでた利回り
これを利差益、損したら利差損という。
③では、保険料に含まれているコストを、企業努力によって下回った場合の費差益がある。
■かしこい生保の選び方
保険の法律上の区分
第一分野=生命保険
第二分野=損害保険
第三分野=医療保険や傷害保険など生保・損保のどちらでも取り扱うことのできる保険の分野
結婚を機に生命保険を乗り換え155名にアンケート
うち、73名のひとが他社に乗り換えた。
保険会社のうち、どこかずば抜けて「得」ということはなく、差別化を図るには手数料と税金しかない。
自分にとって最適な保険を選ぶには、複数の保険会社と比較する必要がある。
生命保険においても、契約者は「付加保険料が安い保険会社を選ぶ」ことが大切になってくる。
付加保険料→保険料のなかの手数料部分
−これからの生保業界
これからは、業者と顧客の情報格差を埋める努力をして、付加保険料を下げる方向になる。
★保険に賢くはいるための7ヶ条
1,死亡、医療保障、貯金の3つに分ける
それぞれ、どれだけお金がかかるかを押さえ、どうやって備えるかを考える。
複数の機能を兼ね備えた商品ではなく、単品で選ぶ。
ポイントは保障は、生命保険だけてはない、ということ。国の保障もあり、それでは賄えないところをくっつける。
また、貯金こそが最大の備えであり、保険料にお金をかけすぎないこと。
2,加入は必要最小限に抑える
保険料は手数料が最大6割あることから、必要最小限に抑えること。保険料を抑えて、その分を貯蓄にあてること。
3,まずは中核の死亡保障を安い保険料で確保する
亡くなったら保険金が支払われるのは、どこの会社も同じ。なので特約の付いてない商品をシンプルに安く通販やネットで買うこと。
平均的な家庭の保障額は3000万円。子供一人あたり1000万円が目安となる。自営業では5000万くらいでもよい。
4,医療保障は、コストリターンを把握して好みで選ぶ
売れ筋となっている「入院一日一万円、一泊二日から」といったタイプの短期入院保険は、払い込む保険料と期待される給付金の倍率がそれほど高くない。例えば、年四万~五万円を保険料として払い込んで、平均して一〇万~二〇万円の給付金をもらう、といったものである。 このような商品構造を理解した上で、それでもこのタイプの医療保険が必要かどうか、決めるべきである。
がん保険は、一時診断の金額が高いものを選ぶこと。
仮に加入するとしたら、「日額一万円、一入院六十日限度、終身タイプ」のものを標準として考える。
5,
6,すでに入っていても見直そう
下記の2つを見直そう
①このまま払い続けたら満期までいくら払い込むか
②解約して新しいのに加入したら、
いくらの返戻金が戻ってきて、満期まで総額いくらの保険料を節約できるか
7,必ず複数の保険商品比較する 営業マンで選ばない
昔はどこの商品を選んでも差がなかったから、営業マンで買っていた。しかし、今は各社保険料に大きな差がある。生涯計算すると、数十万、数百万になることもある。
−約款
ポイントは、契約者である自分の義務が何であり、権利が何であるか、どういう場合に保険金などが支払われて、どういう場合には支払われないか、ということを明確に意識し、理解することである。
理解できない内容なら加入しないほうがよい。
−生命保険会社が倒産したら
国内のすべての生命保険会社が加入する生命保険契約者保護機構が保証する。
補償の対象は、払い込んだ保険料ではなく、支払われる責任準備金の9割である。
責任準備金」とは、払い込んだ保険料から保険金の支払いや契約の維持管理費用を差し引いたのちに、将来の保険金等の支払いのために積み立てられた費用をさす。
今の時代、保険は掛け捨てにして、貯蓄は自分で行うほうがあっているかもしれない。
−保険料の決まり方
保険料は保険事故発生率できまる。
保険会社では「若いうちに多めに取っておいて、年を取ってからの保険料を安くする」という「平準保険料方式」を取っている。これによって、若い頃から将来の保険金払いのための金額を積み立てておけるのだ。
予定利率=若いうちに多めに徴収し、運用してでた利回り
保険という制度を維持・運営するためには、さまざまな活動が必要である。それは保険契約者を募る行為に始まり、契約者の審査や加入後の保険料徴収、そして保険事故が発生したときの請求処理業務。企業体としてこれらの業務を運営していく上では、ITシステムを構築する必要があるし、人事労務管理などの機能も必要である。オフィスがあれば家賃がかかる。このような一連の費用も、保険料に上乗せして契約者から徴収する必要がある。これを、「付加保険料」という。
−生保の未来 リスク細分
自動車保険では、リスク細分という商品が一般的になりつつある。走行距離、免許の色によって保険料が変わる仕組みは、保険事故の確率が低いことで成り立つものである。
−民間保険は公的保険を補完するためにある
民間医療保険の役割とは?
医療保険の基本的な負担は公的が担い、治療費の自己負担、差額ベッド代、大衆薬、自由診療を一定の割合でカバーするのが民間保険である。
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