さて、今日ふと思い出すことがあったのでそれを記載しようと思います。
競馬でも昔衝撃を受けた書籍に「人間の条件」という書籍がありました。
こちらは走るのは馬でも、走らせるのは人間なのでその調教師、騎手を見ていれば馬券は勝てると言う目から鱗の話でした。
そこから、人について結構考えるようになったかと思います。
そもそもなのですが、私は前のパチンコメーカーで仕事をしていた時、自分の仕事に対しては結構な完璧主義者でした。
当時営業として売れていたと言うのもありまして、自分から買った顧客に迅速に完璧に対応することで信頼を得て紹介で販売先を増やすと言う営業スタイルでした。
そのため、本来は技術の仕事だったのですが、私は納品先の問題点の書き出しと、何を調べればいいかを全部紙に書き起こしてベテランの先輩社員に渡していました。
私の紙に記載したことをちゃんとそのままやればミスりようがない内容でした。
パチンコ屋さんの仕事のため、23時にお店が閉店し、閉店作業を終えてからの作業になります。
現場は深夜ですが私は営業だったため、閉店時の挨拶にいってお任せしておりました。
ところが、ちょっと重い内容だったのと私自身が全部任せてしまっているのが心配だったこともあり、朝現場に電話したところ・・・・
まるで上手くいっておらず、そのままでは開店できない状態でした。
パチンコ屋さんと言えば、一日の売り上げが数千万円あってもおかしくはないですし、その営業を止めると当然賠償問題になります。
まずいと思った私は即座に現場に急行しました。
そこでは徹夜で働いてくれていたベテラン先輩の技術者がおりましたが、疲労困憊しており、そもそも私が調べておいてほしいと何時間もかけて用意した紙の事前調査を何もやっていない状態でした。
私の準備と仕事がまんま無になってしまっており、その準備不足がお店が営業できないかもしれないような熱い状況を生み出しておりました。
この時なのですが、当時より前の私だったらこの先輩社員を間違いなく責めていたのですよね。
私の事前準備の仕事も無になり、クレームに発展しかねない状況。
私が技術だった時、自分でやれば絶対にないようなことだなと思ったのも事実です。
ただ、この時の私はこの記事で記載したカリスマ営業と出会っていました
また、社会人競馬サークルにも来ていただけている沖縄好きのK氏と自費出版の会社を経営しているY氏の話も聞いていたこともありました。
自分がやれば完璧な事を人ができなかったからと言って責めてはならないのですよね。
その前の私であれば自分が100できて、他の人が90しかできなかったら10足りないと責めていたんですよね。
ところが、そんなだから協力を得られず、完璧にまで下準備して依頼した仕事をやってもらえていないわけです。
逆で、マネージャーの立場というか人の協力を得る立場の場合は一番重要なのは「許す」こと、「許容」することなんですよね。
自分の代わりに徹夜で現場で仕事をしてくれている。
自分の代わりに10割ではないにしても9割してくれている。
そういう感謝がマネージャーには必要で条件なのだとこの事件のちょっと前に学んでいたのです。
過去にもクレームになった時はこの方を私は責めていたんですよね。
完璧に準備したのにそれをやらない事で問題になった憤りで。
こうならないために準備したのに、私の事前準備を無駄にしやがってと。
仕事を舐めているのか的な発想でした。
金貰ってるんだろうと。
私が払っているわけでもないのに。
ですが、自分の代わりにやってくれている人を責めても仕方がないのですよね。
その場はすっきりするかもしれませんがむしろ、マイナスにしかなりません。
かつてアブラハム リンカーン大統領の「送らなかった手紙」の話は有名です。
南北戦争でのリンカーンが、自分の指示にしたがわす、戦争を負けさせるようになるかもしれない事態へ陥らせたミードへ将軍に対して、怒りにまかせた手紙を書きましたが、実際にそれを送りつけず、死ぬまで自分の机の奥底に入れたままになっていた話は有名です。
その手紙は死後100年後に発見されたらしいのですが怒りにまかせるままに書いた後で考えたらしく、この手紙は、ゲティスバーグの勝利に効果が出るよりも、害をもたらすと感じ、「ミードへ将軍へ、決して送らない手紙」と書いて、封をして机の引き出しの奥深くにしまっていたということです。
そうリンカーンは許したのですよね。
そういった認識があったので私は、この時「徹夜で頭も回らないでしょうから休んできてください」と先輩の技術者を休憩に行ってもらいました。
そこから自分で開発に連絡しながら全部対応し、謝り、クレームを収めたのですが、一切技術者を責める事もせず、自分の会社にも報告しませんでした。
すると、やはり自分が原因で営業が代わりに怒られたり、謝ったりしていて何も感じない人はいないのですよね。
でもそこで責めない事で営業にこういう想いをさせるわけにはいかないと思ってくれたのか、責めている時はあれほど私が下準備してもやってくれずクレームになり問題になった火消を私はしていましたが・・・
それから一回もこの技術の方は私が依頼した下準備をやらない事がなくなったのですよね。
そう考えると、マネージャーの条件はやはり許す事なんじゃないかと思うんですよね。
逆に過去の私のように許せない人は上に立てないと思います。
仮に立ったとしても、下がついてこない。
未来工業の話と同じで、与えるなのですよね。
許しは乞う物であり、許可は与えるものです。
そんなことをふと思わされました。
さて、普段許せているでしょうか。
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