【読書】ディズニーランド 超人材活用術2004

読書

仕事とは、単なる生活するための糧から、自己表現のひとつとして、捉えられるようになった。

正社員、パート、アルバイト、といった雇用形態の、区別とは無関係に本気で問われる時代になった。
(所感)確かに、ディズニーランドは正社員やアルバイトに関わらず、一貫して統一して本気で取り組んでいるようにみえる。雇用形態は単なる形式でしかない。

■第一章 なんでディズニーランドだけが、こんなにひとづかいがうまいのか

ディズニーランドは9割がパート、アルバイトである。
東京ディズニーランドの現場オペレーションのほとんどが、非正規雇用の労働力で担われているという事実である。

いかにアルバイトを短期で戦略化し、マネジメントするか、あらゆる小売、サービス業がかかえる課題を、強力なコンセプトと類まれな徹底力で克服し続けている結果である。

パート、アルバイトを戦力化するには、位置づけ、意味づけ、動機づけがないと、誰も本気で働いてはくれない。

企業と顧客の関係も変わってきている。
プッシュ型から顧客のこころ型に変化している。それはまさにを心理学の世界である。
(所感)そこまでしないと顧客の心をつかめない、売れない時代だと、いうこと。

正社員、パートに関係なく、まるめて、会社全体の業務が構築できるかどうか。
いわば、企業と従業員、仕事と従業員を含めたワーキングコミュニティマネジメントというものが必要ではないか。
=企業と従業員が同じ目的にむかって進むこと

ディズニーリゾートに完成はない
3000億円を投じたディズニーシーですら、変化の一旦でしかない。衰えをしらないディズニーランドはの集客力は、変化、拡大、革新によって支えられてきた。
「変化そのものを日常業務」

顧客のニーズが多様かし、顧客にとって選択肢が増えた今、値引きでは顧客の心を掴むことができない。顧客の思いや心の内部を洞察し何な関心をもっているのかを探し続けることが重要。
(所感)15年前の本書に、顧客の心情を察知することが大切だと書いてある。新卒の2010年にはまだプッシュ型でだったことを考えると、10年、15年では企業は変われない。

東京ディズニーリゾートの売上の半分は商品販売や飲食の収入である。物販や飲食は利益率が高いことを示している。
これが成功要因の一つと考えられている。

準社員という名のパートアルバイト 教育トレーニング
全体の2割程度の社員、2200人が2万人ちかい準社員のマネジメントをする仕事として存在する。

キャストはどんなに短い期間でも、一定の集合教育をうけ、ウォルト・ディズニーの思いやを生涯、ディズニーランドの何たるかをたたきこまれる。

仕事の意味をとことん教える
キャストでも、上級クラスになると現場リーダーや人事管理、評価、予算組まで、任される。
そこに、正社員と非正規との壁はない。
働く人は全員が常に演出者、オンステージの意識を持ち、ダンサーでも、清掃人でも常に完成度と緊張感が要求される。
=高い意識とプライド

■第二章 ウォルト・ディズニー語録にみるディズニーランドのキーワード

本気でを従業員に働いてもらうための条件は2つ
1なぜその事業をやっているのか?
2経営者の理念の具体化と落とし込み

サービス業の 人がすべて  は
個々の能力だけではなく、人が集団としてどれだけパワーを発揮できるか。
集団=職場の雰囲気をいかに盛り上げ、マネジメントしていくかが極めて重要になる。
細かいマニュアルも意識が低ければ絵に書いた持ちである。

ウォルト・ディズニーはどんな思いでつくったのか、キャストは何をすべきであり、何をすべきでないか、キャストに期待されていること。が一日だけのスタッフにも伝えられる。
本気で、パートアルバイトに向き合う姿勢こそが重要なのだ。

スタッフには抽象的ではなく、具体的にかつ、確実に仕事に活かせるような形で伝え、スタッフの心とカラダに刷り込ませる。
例えば、自身の会社において、一日だけのスタッフがいたとして、どれだけ本気に会社のストーリーとエピソードを語れるであろうか。

ディズニーランドはウォルト・ディズニーが映画のプロデューサーとして培った世界観やイメージ、ストーリーを地上の楽園として現実化した場所である。
そのため、パークの中は完全に夢の世界として、演出されなければならない。
夢中にさせるために、そとの世界が見えない工夫をしている。
開設の際、周囲のホテルの高さを45メートルを超えないことなど、徹底している。
(所感)徹底した世界観を再現しようと、妥協がみられない。事業をおこす場合、なんに対しても妥協をしてしまうと成功しない。ということだろうか。

ディズニーランドは
ファミリーエンターテイメントである。子供のためにつくったわけではなく、大人でも楽しめるようにした。子供の心を再び取り戻す場所。
誰でも、楽しめるようにつくられた世界観。

たとえば、ディズニーランドのキャストは子供と話すと気は必ずをかがんで話しかける。
清掃人も担当エリアを15分以上ほっとくなという徹底ぶり。本物以上に本物らしく見せるには、パーク内の環境は、完璧にできていなければならない。顧客のイメージにより近いものにする必要がある。

こういった意味付を説明できたなら、キャストを本気で働かせることができるだろう。

パークは永遠に未完成
ディズニーランドには終わりがない。加算され、増殖し続け、呼吸している生き物だ。

小売、サービス業は、常に社会の変化をみつつ、時代に先駆けて人々の求めるものを提案し、提供していく。
顧客を固定化するために、いつきてま新鮮な印象を与える。

ウォルト・ディズニーは
変化することをひとつのルーティンワークに位置づけている

キャストも常に成長すべきである。ゲストを満足させるため、常に勉強し、自己成長する必要がある。
(所感)ディズニーだけではない。企業の社員も勉強し、成長しなけらばならない。企業と社長、顧客だけが成長するだけであれば、企業の先はないと考える。

必要なのは、熱意であり、一生懸命に意欲的にさまざまなことを学ぼうとする人だ。世界一すばらしい夢を実現するには
人が必要である。

撤退した自前主義
夢と魔法の国のイメージとサービスクオリティを維持するために、パーク全体を自分たちが完全にマネジメントできる手の中においておきたい。

顧客満足度は常にプラスアルファである。

ゲストがディズニーをでたあと、楽しんでいただけたかということ、次にゲストが支払った金額に見合う価値が我々にあつたかどうか、これについて考えよう。
なぜなら、人は品質に対してお金を払ってくれるのだから。

仕事を、事業を始めるにあたり、どのような想いで事業を立ち上げ、つづけているのか、この会社で仕事をすることはどういう意味があるのかを働く人に伝えられるだけのストーリーと、仕事の意味付をもっていることは、働く人を本気にさせるためには、極めて大切なことである。

■第三章 これがディズニー流 超人材活用術だ

−大切なのは、採用したキャストを裏切らない。
ディズニーランドのひとづかい

未経験大丈夫
やる気と履歴書だけ持参ください
安定して仕事あります
営業拠点拡大!
やりがいたっぷり
好きな事を仕事にしよう!

このようなキャッチコピーにつられて応募して仕事を得たとき、果たしてをどれだけの人が仕事に満足できるだろう。
仕事と人材、一度、ミスマッチがおきれば、そのマイナスは企業にとっても個人にとっても計り知れないものとなる。

ディズニーで働く人はもともとファンが多い。
ミスマッチが存在しないのである。研修で配布される資料でさえ、ディズニーファミリーの一員として認められた証で宝物となる。
ただし、どんなに好きでも楽しくても、ゲストからキャストへの意識転換が不可欠である。

入社式を終え、頑張ろうと現場へ配属された瞬間、上層部の話と現場の乖離で退職する社員は多いだろう。
その乖離をできるだけ埋め続ける努力をすることが、「本気の人づかい」の出発点である。

とくに、パートアルバイトでも、会社の一歩外へ出たら最重要顧客である。もし現場で不都合が生じれば、悪評は一気に広がる。だからこそ、期待を裏切ることなく接していくことが求められる。

−ディズニーランドの人材戦略化の基本
基本構図は、ウォルト・ディズニーの夢をベースにハード面(仕組み、システム)、ソフト面(理念、マインド)の両方からキャストをとらえ、継続的に育成していくこと。

マニュアル=ウォルト・ディズニーの夢を具体化した台本に従いながらも、臨機応変にアレンジする。
そこで、ディズニーでは、仕事全体の7割は教えるが、3割は、各自が現場で、学ぶことを基本としている。

他方でサービス業として合理化、仕組み化も考え抜いている。
レストランで、注文レジとお渡しカウンターを離して分業している。=待ち時間を減らすことが目的

−ディズニーランドの仕事の基本 4つのポイント

ディズニーランドの行動指針
safety安全性◁courtesy礼儀◁showショー◁efficiency効率性
優先順位が決まっている
安全性がないのにショー要素は禁物。

アトラクションを、待つ時間もただ待つのではなく、ディズニーランドの雰囲気を常に感じながら楽しく待つことができる。

安全性
パーク内では、安全基準を超える人数が入園した場合には、入場制限がかけられるように、常に計測している。
ディズニーランドでは、救急車や消防車の機能を持った専門設備や組織体制がある。

礼儀
すべてのゲストはVIPである。
接客サービスではなく、常に最高の状態でゲストに接する。
また、入口はの時面は赤い色のペンキで塗られている。赤いじゅうたんの発想から。

ショー
パーク内はすべてオンステージ。
ショー性は、パーク内のすべての仕事に自然と溶け込んでいなければならない。
制服はコスチュームという。キャストの言葉はセリフであり、アトラクションやレストランはすべてストーリーと意味がある。清掃すらショー化している。

効率性
効率性は、企業皮だけでなくゲストから求められる切実な問題である。
効率性とは、3つの要素がみたされて初めて充足される。

−ディズニーランド流 理念、方針のブレイクダウン
4つの指針は理念が業務の中で具体化されたものであり、キャストを裏切らず、本気にさせる上で不可欠な要素といえる。

でいランドのどんな仕事であっても、働く以上、難しい基本方針などの抽象的な原則に戻らなくてもSCSEの順番で物事を考え、行動すればまちがいない。  
(所感)行動指針とは、理念を具体化し、従業員が行動できるまでに落とし込むものか。

−業務教育の大切さ

企業研修
別の場所に社員を隔離して、違う刺激を与えてスキルアップを狙っても、次の日には払拭され、またもとに戻ってしまう。
スターバックスでは、店内と同じインテリアや機能をもつロールプレイルームをもち、金銭授受、サービス提供など実際の仕事を教えこむ。役割演技を積むうちに、自然な笑みを浮かべながら、いらっしゃいませが言えるようになる。

−ディズニーランドの教育システム

山本五十六
やってみて、いって聞かせて、させてみて、褒めてやらねば人は動かじ

これは人を使って仕事をする立場の人間であればどこまでも噛みしめる価値のある言葉です。

ディズニーランドの教育は大きく3段階に分かれる
◎第1ステップ 本社研修
人事部の研修
ディズニーランドをつくるにあたっての考え方やプロセスをビジュアル豊かに説明する。
メンバー全員を連れてパーク内をまわるツアーが行われる。

◎第2ステップ 配属研修
それぞれの配属先での研修。

◎第3ステップ 実際に働く現場での研修
OJT研修。現場を離れた専門のスタッフがつき、数日間、マンツーマンで教えることに専念する。

ここに、パート、アルバイトの壁は存在しない。

−威力を発揮する教育専任コーチングスタッフの存在

仕事をとおして育てる、OJTが、大切だとはよく言われるが
そういった環境を整え、本気で取り組んでいるところは意外と少ない。
結果として新入社員や、自分がついた先輩のレベルによって仕事への心構えやスタンスが制約され、潜在能力が発揮できない。

ディズニーランドはブラザー&シスターシステムを採用している。山本五十六の言うとおりに、やってみせて、いって聞かせて、させてみて、ほめてやるで、一人一人丁寧におしえ、マンツーマンので、育てていく。

−正社員には準社員を育てる役割がある

ディズニーは売上高の3%を人材育成につかう。
正社員は、はじめから準社員を教育することが基本であることが、業務の一貫として組み込まれている。

現場の主役は準社員、アルバイトだということをとことんまで追求したのがディズニーランドの人づくりの仕組みなのだ。

−超人材活用に欠かせないマニュアルの本当の意味

ディズニーランドはこう考えている ということをあらかじめ、働く人間に伝え、納得した上で契約という考えがベースになっている。

キャストのヘアースタイル、染髪、ひげ、化粧、アクセサリー、つめ、マニュキュア、指輪、香水、ソックスやストッキングなどもマニュアルに従わなくてはならない。
これは、学校の校則に匹敵する内容のものだ。

なぜだめか、これは雇ってからでは遅い。雇う前に理由を明確にして納得した上で契約を結ぶこと。

−キャストのなぜ?に、答えることで人は確実に育つ
あるとき、子供が母親に、なぜ自分の顔は自分出みえないの?といった。これこそ、哲学レベルの問題である。
このなぜ?に真剣に向き合い、答えられるか、少なくとも答える姿勢と努力を示せるかどうかで、成長や可能性は大きく変わってくる。

会社の新人は、3の数字、期間で悩んだり、疑問を抱いたりするという。
経営者としては、働く人間が抱く、疑問や反応をどれだけプラスのちからに転ずることができるか?ということが重要性さである。

①なぜ茶髪が禁止なのか
ディズニーランドは、ドラマに出演するキャストと同じである。テーマごとにデザインされたコスチュームと、それにふさわしい身だしなみのコンビネーションが重要になる。
アメリカでは自然ないろがという決まりになっている。

②なぜ雨の中でもベンチをふくのか
雨の中でふくことは、一見、無駄な作業のようにみえるが、実はベンチの点検もしている。

③なぜ子供と目線を合わせるのか
すべてのゲストはVIPであるため、大人や子供といった区別なく楽しめるパークを目指すものである。年齢をわすれて誰もが夢を見る場所なのだ。

−いきいきした個性を引き出す「7対3」のコツ

ディズニーランドでは、基本的なことを含めて7割までは教えるがのこりの3割は、各自が現場の中で日々の業務やゲストの関係の中で学び続けていく。

完璧な人間を、育てるのではなく、常に学び続進化していく状態にある人材を育てる。

ディズニーランドでは、企業における人材育成のあり方を考えるとき、2つの要素がある。
①会社でどういう働き方でどういう人材に、なつてほしいか
②企業が、ひとりをバックアップできる体制になってる

−高いサービス水準を維持するためのしくみとシステム

待つことへのこだわりと工夫
買い物客は、常に自分が選んだ商品が最善の選択だったかどうかに迷いがあり、その迷いを払拭するために、いち早く自分が買い物した場所から離れたいと思う。
=認知的不協和の解消という。

百貨店が顧客をお待たせしないことを重視するには、訳があるのだ。マクドナルドもお待たせしない。
ディズニーランドのアトラクションは、短くても30分、ながくて2時間。
お待たせしないを標榜できる状況にない。

しかしここに発想の転換がある

つまり、お待たせしながら楽しんでもらうのだ。
プレショーと言われるパーク内のパレードがあるが、そこには待たせながらも楽しんでもらう意味がある。

待つ、ひとつとっても様々なテクノロジーが詰まっている。

■第四章 人材活用がうまい企業はここが違う

−パート、バイトの力を引き出すには人と仕事の新たな関係をつくれ!

ディズニーランドの強みは、企業と従業員という垣根自体がなく両者がともに同じ方向を向いたワーキングコミュニティができていることである。

今、人と仕事の関係は大きく変わりつつある。パート、アルバイトを正社員と、同様に即戦力化するには、まず彼らの置かれたキャリア環境を踏まえ、働くものの心に迫ることが不可欠だ。

−パートアルバイトの戦略化に欠かせない視点

戦略化においては、戦略化すべき相手は資格取得や、夜間の専門学校、主婦層、学生、シニアなど、第2第3の人生を歩むべく、生き方や働き方を真剣に考えているを人生の転換期にある人々だということを忘れてはならない。
彼らにとって、職場は単なる収入源のためではなく人生を左右するステップであると考えること。

−仕事の意味を納得させられるかどうかがポイント
13歳のハローワークがベストセラーに、なった。
そこには、13歳の子供がどんなことに興味があるのかを切り口に、考えられるあらゆる仕事=職があげられ、それぞれの仕事につくための道がやさしく示されている。

そもそも、世の中にどんな仕事があるのかを学校教育のなかで教えられることはほとんどないといってよい。あくまでも小中学校で習うのはお勉強であり、将来、どんな仕事があるのかなどの問題意識は程遠い。高校、大学でも本人たちに与えられる情報は充分ではない。やりたいことを考え抜いた就職では無いのだ。つまり、職業選択とは多くの偶然によって左右されることになる。

今や働くことは収入を得る以上に、自己実現のためとして人々の意識のなかに位置づけられた。

人を本気で動かすコツ
こうなると、企業としては、働く人間の自己実現と仕事との関係をどれだけ結び付けられるか、つまり
「あなたがこの仕事をする意味」をどれだけ納得させられるかに、よって、人を本気で動かせるかどうかがきまる。

ディズニーランドで遅刻をすると
就業規則違反で怒られるのではない。あなたを待っていたゲストがいるのに、そのゲストに対してなんとお詫びをするのか!
と役割を果たせなかったことに怒られるという。
そこには、企業と顧客と従業員の関係があって、初めて、キャストの仕事も存在する。
これからのモチベーションは、上から下ではなく、関係の中ではじめて存在し得るものだ。

−店の業績は店長できまる
ウォルト・ディズニー語録
価格と価値の原則
まず価格の安いものからおすすめし、高いものは隠せ!そして顧客が上等なものを欲してきたらより高いものを商品価値を十分に伝えながらお勧めしていけ。

店長の力はいかに現場スタッフの本気とやる気を引き出していくのか。

−社員を本機にさせる2つのモチベーション
セントラル型と独立事業主型

本部でコントロールするセントラル型
第一は、本社や本部で完璧なオペレーションを中央で構築し、本部のマネージャーと現場のワーカーを明確に分けた上で、現場をパートやアルバイトを中心にまわす。
本部はかなり詳細なマニュアルをもち、現場スタッフがそれにしたがって業務ができることを目指すので、比較的短期間で新人スタッフが戦略化する。
マクドナルド
ディズニーランド

現場に任せる独立型
店長だろうが、現場スタッフだろうが、ヒトモノカネについて枠を設け、現場担当者に商品仕入れ販売をすべて任せ、あたかも独立事業者のような形で働いてもらうパターンだ。
ドン・キホーテ
ヴィレッジヴァンガード

−クレームについて
マクドナルドもディズニーランドも、クレームは改善のチャンスと捉え、単に顧客の怒りを鎮めるための対応ではなく、リスクマネジメントの一環として、マニュアル化している。
ポイントは、あらかじめ起こりうるクレーム内容を想定し、マニュアルに組み込み、対応をスタッフに徹底しておけるかということだ。

−しまむらのエム社員制度 
若い世代と同等の潜在能力を持ちながら、専業主婦としての生活ももち、フルタイムでは働きにくい中年の主婦層を大将とした独自の雇用制度。
各地が働きやすい時間帯を中心にシフトを組み閉店後はほとんど残業がなく、家庭と両立できる勤務形態を実現した。
そこには、物流、商品管理システムとしまむら独自のマニュアルがある。完璧な店舗オペレーションでパートを即戦力化して、そのパワーを標準化しているのだ。
これは、上からの押し付けマニュアルではなく、ベテランの現場スタッフのやり方をまとめたもので、現場の実態に会うものになっている。

−ドン・キホーテ 独立事業主型
1978年に泥棒市場として第一号店を出店して以来、年商1580億円まで成長を遂げた。
そこには、安田社長独自の「ひとづかい」の方法がある。
それは、権限移譲を行うことでスタッフのモチベーションアップをはかる方法である。
ドン・キホーテは、セオリーとは反対に
見えづらく、取りにくく、買いにくい店をつくれ
という指示をもとにところせましとジャングルのようになっている。
これは、何がどこにあるかわからないほうが、お客は興味を示し、商品を探し、取りにくい商品があれば余計に欲しくなるという心理に基づいた戦略である。
(所感)お客さんは、人であることから人の心理を理解すればうまくいくのは必然か
また、商品は大量一括購入ではなく、各店の担当者が独自の感性と嗅覚で商品仕入れから陳列、販売までを一貫して行う。
商品の陳列、演出は店長以下のスタッフに一任されている。
権限移譲すれば、自分の仕入れた商品が売れ残らないように工夫するようになり、いつのまにか圧縮陳列もできるようになった。これは、マニュアル化で心身に刷り込むこととは反対に、数値責任を含めてまるごとまかせることで、能動的な人間に育てるという発想である。
権限移譲についてこれない人材は入れ代わり、ドン・キホーテならではの浄化作用が働き、スタッフが切磋琢磨する風土が出来上がった。
重要なことは、パートアルバイト、正社員もなく、本気でやる気がでて、活性化する状況をつかるということだ。

−ヴィレッジヴァンガード 独立事業主型
とことんまで顧客の発送に基づいて、顧客の趣味と関心になぞらえた上で、本やCD、雑貨、フードまでゾーニングし、仕入先の枠を超えて商品をそろえて陳列を通して顧客に訴えようという発送である。新刊本もベストセラーも置かない書店でありながら、成長を続けている。
同社の従業員は、まずアルバイトとして雇い、本人の希望と適正をみながら正社員登用するしくみをもっている。一年後に希望をきき、人、モノ、金のトータルマネジメントができれば正社員になれる。

−本気の人材育成とは何か
セントラル型と独立事業主の2つのパターンは、どちらも
ステップ・バイ・ステップで手の届く少し先のゴールを見せながら少しずつレベルアップを図ろうとしているやり方。役職に基づいた報酬など、論理的に人間の心理をついている。
また、ゴールの姿をみせ、あるべき姿と期待される像としてしめし、気づきを与える。そこから自らゴールに目指して動くようにする。目標が見えれば世界の見え方も変わる。

人材育成と活用、教育といものには終わりはない。常に自己生長しようという状態をつくることこそが、仕事の質を高め、顧客満足度を獲得し続ける。

第5章 ディズニーランド流人材活用の強みは顧客と企業の理想の関係にある

情報社会でいつでも、どこでも最新の情報やトレンドが手に入る現代で、企業の社員の学びは欠かせないものになっている。化粧品会社の社員よりも顧客のほうが最新情報を熟知しているケースも在るため、顧客のプロ化を超える必要がある。
肝心の顧客がどういう思いで、どんな情報を手に入れているか、この情報を得ることは難しい。

顧客のことが一番わかっていると思われる店頭は、実はほんの一部しかわかっていない。
重要なことは、顧客の言動の一端から顧客の要望を洞察しつづけるのと。
顧客が持つ情報力に追加てるだけの提案力がある店だけが生き残れる時代となった。

顧客のことをわかっているという幻想をいち早く捨て、顧客の生活そのものに真摯に向き合う姿勢としくみをつくることが大切である。顧客と企業の壁を取り払い、顧客と一体となって企業の活性化をはかるワーキングコミュニティが必要である。

−パートアルバイトは再処で最後のお客様
パートアルバイトは、その企業にとって、最大の重点顧客である。彼らは、まさに従業員とお客様の2つの視点をもったバランス感覚のある最初の顧客のである。
そこで、モニタリングとして定期的に店や企業に対しての感じることを吸い上げ、インセンティブをわたす。
まずは、スタートに支持され応援してもらい、良い店していこうとベクトルを合わせることが、本気のパートアルバイトの戦力化の一歩である。

第6章 本気のパートアルバイト、戦力化テクニック

−求めるべき人材像と要因計画

①求めたい人材像
企業として店として、どのような人材がほしいか
アパレルファッションと同じで、自社の服が似合うかなどイメージとマッチした人材でなければならない。

②要員計画
上からの要員計画
経営上、許容される人件費の範囲で何人の要員を雇えるか。
下からの要員計画
現場作業を一つひとつ積み上げることで、オペレーション上、何人必要か。

ディズニーランドはゲストの数を予測しそれに従って時間帯ごとに必要なキャストの人数を割り出した。

−面接採用
昨今、有効なコミュニケーションの手段として、質問力というのがテーマとなっている。
相手が企業に対してどれだけ興味があるか、関心をもっているか。相手がこちらにどれだけいい質問ができるかによってかなりのことがわかる。
なぜなら、質問するには仮説が必要であり、仮説をもつには相手企業のことをとことんまでしらなければならない。

ディズニーランドでは、むしろ企業の方から応募者について知りたいと歩み寄る姿勢の表れである。

−トレーニングとコーチング
パートアルバイトの戦力化は、トレーニングやコーチング次第であると言っても過言ではない。
ディズニーランドには、本社、ディビジョン、現場という3段階のトレーニングシステムがあるが、とりわけ現場でマンツーマンで教えることに重点をおいた仕組みになっている。

コーチングとは、専門の訓練を受けたコーチが相手に様々な質問やシンプルなアドバイスをすることにより、相手が目標を達成したり、ビジョンを実現するためのサポートである。

コーチングは、人の承認欲求や期待感を持たれるこのによる自ら成長する力、無限の可能性をもっており、ポジティブな人間感をベースにしている。相手の話を肯定的に聞くことで、本人の持っている力や答えをクライアント自身から引き出すためのサポートを行う。
スタッフが自ら育つような人間関係そのものを職場のなかにつくひだすことにもなる。

ディズニーランドはコーチングとティーチングを適切にミックスさせている。

−ワークスケジュール
パートアルバイトを戦力化する場合は、意識も年齢も働く時間も様々な人々をマネジメントする上できわめて重要である。
パートアルバイトには、急な休みや変更がつきものである。
ディズニーランドでは、スケジューラーと言われる専門のスケジュール管理者がキャストのスケジュールを管理している。

−本当に使えるマニュアルにする2つのポイント
①マニュアルは最低限のみですことを決めたに過ぎないと理解すること。規則ではなく指針であることを理解。

②マニュアルズマネージャーの設置
マニュアルをつかい実務にあたるが、もしそぐわなければ、常に刷新する。

−評価とステップ
パートもアルバイトも正社員との審査基準を同じにする。場合によっては、正社員よりも早く昇格する。

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