人の行く裏に道あり花の山

N島

株式投資の格言と言いますと、何をおいてもまず出てくるのがこの言葉です。

投資家は、とかく群集心理で動きがちといわれています。

いわゆる付和雷同です

レミングスの群れが崖から海に飛び込むように右に倣えと、暴落の時はこぞって売り、バブルの時はこぞって買います。

しかし、それでは大きな成功は当然得られません。

むしろ他人とは反対のことをやった方が、うまくいく場合が多いとされています。

有名な話ですが、関東大震災が起きた時の事です。

大正12年9月1日の事でした。

この時、東京はもう終わりと土地を投げ売りした人がいたそうです。

ところが、実際は投げ売りされた土地を安く買った人がいい思いをしました。

そして1995年の阪神大震災の際は、関東大震災の時の教訓で誰も土地を売らなかったそうです。

人は学習しますので2番煎じはなかなか難しいですが、でも誰もがそうだと思う時の逆がチャンスだったりするわけです。

大勢に順応すれば、確かに危険は少ないです

ですが、人生の成功者は誰もやらないことを黙々とやってきた人たちであり、欧米では「リッチマンになりたければ“孤独”に耐えろ」と教えるのが通例だそうです。

人並みにやっていたのでは、人並みの結果しか得られないというのは当然の話です。

株式相場は、上げばかりでもなければ、下げばかりが続くこともありません。

明けない夜も、止まない雨がないのも同じです。

いつかどこかで必ず転機を迎えます。

この格言は大勢があまりにも一方へ偏り過ぎたときに思い出すべき言葉かもしれません。

それを教えるこんな逸話があります。

時は1929年でした

ウォール街は歴史に残る大暴落に見舞われました。

いわゆる世界恐慌です。

その中でひと際目立つ相場師が一人だけいました。

その名をジョセフ・P・ケネディと言います。

そう皆さんもご存じである、第35代アメリカ合衆国大統領ジョン・F・ケネディ(ジャック)、そしてその弟ロバート・ケネディ(ボビー)の父親です。

そんなケネディ元大統領の父親はなぜ1929年の大暴落を予見し、大暴落前に全てのポジションを手仕舞う事ができたのでしょうか。

ある時ケネディ元大統領の父親は路上で少年に靴を磨いてもらっていました。

その最中、靴磨きの少年からこんな一言を掛けられたそうです。

『おじさん!今○○の銘柄を買ったら絶対儲かるぜ!
これはココだけのナイショの話だからな!!』

これを聞いたパパケネディはこう心の中でこうつぶやきました。

『靴磨きの少年までもが株式相場が絶対上がると思っている。これは正常ではない。』

ケネディ元大統領の父親は買い増し続けていた株の手仕舞いにすぐさまとりかかり、全く無傷で世界大恐慌の大暴落をやり過ごす事ができました。

競馬でも同じですが、皆が皆絶対を感じるときが一番危ないです。

マジョリティが突き進んでいる時こそ、疑いましょう。

この「人の行く裏に道あり花の山」の類似した格言に

「友なき方へ行くべし」

「相場師は孤独を愛す」

などがあります。

ニューヨークダウでおなじみのウオール街にも

「人が売るときに買い、人が買うときには売れ」(Buy when others sell; Sell when others buy.)

「株というものは高いときには最上に、安いときには最低に見えるものだ」という言葉があります。

また、徳川時代の相場格言にも、さすがに同じ意味を説くものが多いです。

万人の気弱きときは米上がるべきの理なり。諸人気強きときは米下がるべきの種なり。(三猿金泉秘録)

弱気の理、世に現われ出ればみな弱気、何時にても買いの種まけ。(同)

万人が心に迷う米なれば、つれなき道へおもむくがよし。(同)

万人が万人ながら弱気なら、のぼるべき理をふくむ米なり。(同)

千人が千人ながら強気なら、くだるべき理をふくむ米なり。(同)

野も山も皆一面に弱気なら、阿呆になりて米を買うべし。(同)

万人が万人ながら強気なら、たわけになりて米を売るべし。(同)

万人があきれはてたる値が出れば、それが高下の界(さかい)なりけり。(同)

いつとても買い落城の弱峠、こわいところを買うが極意ぞ。(同)

いつとても売り落城の強峠、こわいところを売るが極意ぞ。(同)

向かう理は、高きを売りて安きを買う。米商いの大秘密と知れ。(同)

米だんだん下げ、人気も揃い弱く、何程下がるも知れがたく、わが考えも弱かるべしと思う節、心を転じ買い入れるべきなり。この思い切り、海中に飛び入る心持ち甚だ成しにくきものなれど、その節疑いの気を生ぜず買うべし。きわめて利運なり。下げと見込むとき、思い入れの通り下がるものなれば心易きものなれど(わけはないが)、人気下がると片寄るときは、かえって上がるものゆえ考えに及ばざるなり。上げも同断。すなわち海中に飛び込む心持ち、極意なり。(宗久翁秘録)

十人が十人片寄るときは決して(必ず)その裏くるものなり。(同)

米弱みにみえ、しきりに売り気進み立ち候節、気転じ買い方につくべし。きわめて利運なり。ぜひ上ぐべしと買い気進み立ち候節、これまた気を転じ売るべし。(同)

わが思い入れをみだりに人に話すなかれ。他の了簡聞くことなかれ。(相庭高下伝)

自分の意見を多数決に迎合するとロクな事にならないという典型かもしれません。

けれども、マジョリティに逆らえばいいと言うわけでもないのでそこは注意が必要です。

ただ、実は私は昔スロプロでしたが、もうパチンコが勝てなくなったため打たなくなっていました。

いわゆるスロプロと言われる人種はほとんど全滅してしまいました。

ところが、そのため最近のパチンコ屋さんは高齢者と外国人しかいません。

おかげで実はスロプロ達がもう食えないと足を洗った今、食えたりするのです。

私のメインブログでも書きましたが、人が皆諦めるタイミングに逆に旨味が合ったりするのだなと思わされ、本日の相場格言を思い出しました。

今日はほとんど引用ネタですが。

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