ガルシアへの手紙

N島

これも有名な話の一つなのですが、ガルシアへの手紙という話があります。

内容は、1889 年に、エルバート・ハバードという人によって、わずか 1 時間で 書き上げられた短い物語です。

とても簡単な文章で書かれたものですが、そこには非常に重要な教訓が含まれていたため、早くも1913年には原本が4000万部印刷されていました。

日露戦争中、前線に向かうロシアの兵士はみな、この「ガルシアへの書簡」を一部携えて いました。

日本軍は捕虜のロシア兵から没収したその本が、多量にあるのをみて、不審に思い、ただちに翻訳を試みましたが、後には勅命によって、日本軍の武官とを問わず、全 員に一部ずつ与えられたそうです。この物語は以後各国の言葉に翻訳されています。

引用になってしまいますが、下記になります。

米西戦争が勃発したとき、当時のアメリカのマッキンレー大統領は、反乱軍の指導者であるガルシアと直ちに連絡をとる必要が生じた。

ガルシアはキューバのどこかの山奥の要塞にいる。

どこであるのかは誰も知らない。

郵便や電報が届くはずもなかった。

大統領は彼の協力を得なければならない。

しかも早急に。

どうすればいいのか! ある人が大統領に言った。

「ガルシアを見つけられる人がいるとしたら、それはローワンという男でしょう。」

ローワンが呼ばれ、ガルシアへの書簡が託された。

「ローワンという名の男」がどのようにしてその手紙を受けとり、油布の袋に入れて密封し、心臓の上にくくりつけ、4 日後に 夜陰乗じて小さなボートでキューバの海岸に上陸し、ジャングルに消え、敵国を徒歩で縦断し、ガルシアに書簡を届け、3 週間後にこの島国のもう 1 端の海岸に現われたかを、ここで詳しく話すつもりはない。

私が強調したいのは、マッキンレー大統領がローワンにガ ルシアへの書簡を渡したとき、「彼はどこにいるのですか?」と、たずねなかった事である。

マッキンレー大統領やガルシア将軍やローワン達はすでにこの世を去りました。

このたとえ話しを現代におきかえてみます。

あなたはいまオフィスにいて、6 人の部下が近くにいる。

その中の誰か一人を呼んで仕事を頼む。

「百科事典で調べて、コレジョの生涯について簡単なメモを書いてくれないか。」

その部下は静かに「はい」と答えて、仕事にとりかかるだろうか?

決してそうはしないだろう。

きっと怪訝な顔をして、次のような質問を一つか二つするだろう。

どんな人ですか?

どの百科事典でしょう?

ビスマルクのことではありませんか?

チャーリーにさせてもいいんじゃあありませんか?

過去の人ですか?

お急ぎですか?

その本を持ってきますから、ご自分でお調べになりませんか?

なんでお知りになりたいのです?

あなたがその質問に答えて、その情報の求めかたや、あなたがそれを求める理由を説明したあと、その部下は十中八、九、他の部下の所に行って、コレジョを見つける手伝いをさせるだろう。

それから、あなたの所に戻ってきて、そんな人物はいない、というだろう。

もちろん私はこの賭には負けるかもしれないが、平均の法則に従えば、負けないはずである。

もしあなたが賢明なら、「補佐役」にコレジョの見出しはKではなく、Cであると、わざわざ説明したりしないで、優しい笑顔を見せて「もういい」といい、自分で調べるだろう。

現代の厳しいビジネス社会で、生き残るのは、ガルシアへの書簡を届けたローワンのような人物のようです。引き受けた命令を遂行するにあたり、自分で色々な情報を探し、計画を練り、実行する能力と意志を持つことが大切です。

とここまでが原文なのですが、なるほどと部下の考え方としてはパーフェクトな考え方だと思います。

主体的に考えて求められる結果を出せと言う事になります。

で、ここまでは知っていたのですが、ふと反転して考えたのです。

この話、マッキンレー大統領は結果を待つ間にどうしたでしょうか?

ローワンはどこだ?

進捗はどうだ?

報告はまだか?

報告書を出せ。

誰が管理している?

どう管理している?

果たしてそんな事聞いただろうか?

任せたら任せた以上、余計な事を聞かなかったはずと思えました。

もしそうしていたら、現地のローワンは疑いを向けられたりして上手くいかなかったのではないかと思わされたのです。

ということはこの話は部下の在り方と共にトップの考え方も暗に示唆しているのはないかと思えたのです。

物事には表裏がありまして、一方に美談の後ろにはもう一方の美談があるのではないか。

そんなことを思わされました。

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